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争点消滅の宿命

首相選択選挙

〜シリーズ「2012年衆議院議員総選挙」(2)〜

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Originally written: Dec. 12, 2012(web版)
Second update: Dec. 14, 2012(mail版)(争点消滅の宿命:週刊アカシックレコード121214)

【小誌2009年8月13日「ウィキノミクスの虚構〜シリーズ『失業革命』(5)」は → こちら
【小誌2009年8月27日「寄生虫の論理〜ネット『無料』文化の罪〜シリーズ『失業革命』(6)」は → こちら
【小誌2010年2月22日「浅田真央vs.韓国TV〜シリーズ『バンクーバー五輪』(2)」は → こちら
【小誌2010年11月2日「金正恩の戦争〜続・怯えるロシア〜シリーズ『中朝開戦』(14)」は → こちら
【小誌2011年1月7日「屈辱の世界史年表〜続・劣等感共同体〜『肯定されたい症候群』(7)」は → こちら
【小誌2011年3月1日「韓国と台湾の違い〜シリーズ『肯定されたい症候群』(9)」は → こちら
【小誌2011年12月5日「嫉妬する韓流〜続・嫉妬の法則〜シリーズ『自己評価維持』(2)」は → こちら
【小誌2012年2月24日「続・超攻撃的ジジイ〜シリーズ『脳の保守化バイアス』(2)」は → こちら
【小誌2012年7月9日「TPP不等式〜続・売国奴対策としてのTPP〜シリーズ『TPP地政学』(2)」は → こちら
【前回、小誌2012年11月26日「「安倍氏以外が首相?〜『安倍晋三以外』が首相になる!?〜シリーズ『2012年衆議院議員総選挙』(1)」は → こちら

■首相選択選挙〜シリーズ「2012年衆議院議員総選挙」(2)■
消費税増税、原発再稼動、TPP(環太平洋経済連携協定)参加問題など、2012年衆議院議員総選挙においてマスコミや政党が争点として掲げる政策は、実は争点ではない。これらの争点は、政党の目くらましによってではなく、マスコミや有権者が良心的な態度を採ることによって奇妙な心理学上のメカニズムが働き、いつのまにか争点から消えてしまう運命にある。
したがって、「郵政選挙」と呼ばれた2005年総選挙ですら、郵政民営化問題は争点ではなく、有権者の大半は郵政民営化政策への賛否を理由に投票したわけではなかった。2003年以降、衆院選は、「首相選挙人」たる衆議院議員候補を選ぶ事実上の「首相選択選挙」になっており、有権者が政策争点に対する判断に基づいて投票することはほとんどない。
民主党、自民党、日本維新の会の執行部は既にこのことに気付き、2012年総選挙の戦略を立てた。が、小沢一郎・元民主党代表はこのことに気付かずに、2012年7月、「消費増税反対」という政策を大義名分にして新党「国民の生活が第一」を旗揚げし、2012年11月、「脱原発」という政策を口実にして新党「日本未来の党」に合流した。
もはや小沢は「選挙のしろうと」に成り下がったのではないか(2012年12月14日頃配信予定)。

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なぜ各党の政策が衆議院議員総選挙の争点にならないのでしょうか。
考えてみて下さい。

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註:
「推挽」の「推」は車を(後ろから)押すこと、「挽」は車を(前から)引くことを意味する。語源は、中国の『春秋左氏伝』の故事である。春秋時代(紀元前770〜同403年)、衛国に反乱が起こり、衛王が国を脱出するとき、2人の弟が王を助け、それを見た魯国の臣が「衛王の弟たちが車を押したり引いたりするようにして衛王を助けている限り、衛王は帰国できるだろう」と語ったことに由来する(ジャパンナレッジ所収の『デジタル大辞泉』, 2012年12月12日アクセス)。
石原慎太郎・日本維新の会(維新)代表が、日本記者クラブでの党首討論で、維新の首相候補をだれにするかと問われたとき、推薦でなく、「推挽」という言葉を使って「平沼君を推挽したい」と答えたのは、「衛王(橋下徹・大阪市長)が無事に衛国(国会)に行けるまでの間、いったん平沼赳夫・旧「たちあがれ日本」代表を維新の党首に“推す”が、橋下が衛国に行けたらすぐに平沼を党首の座から“引き”戻す」という意識があったからだったと解釈できる。

引用文献:
相田真彦・池田謙一 (2007). 「マスメディアのパワーはいずこに:微力な効果としての強力効果論」, 池田謙一(編) 『政治のリアリティと社会心理 平成小泉政治のダイナミックス』, 木鐸社 pp.265-289.

Goldstein, D. G. & Gigerenzer, G. (2002). 'Models of ecological rationality: The recognition heuristic'. "Psychological Review", Vol.109, pp.75-90.

平野 浩 (2010). 「首相に対する評価と投票行動:JESV-W調査のデータから」, 『中央調査報』, Vol.632 中央調査社 http://www.crs.or.jp/backno/No632/6321.htm (2011年11月22日アクセス)

池田謙一 (2007b). 「リアリティのダイナミックス 2005年に至る投票行動の基本分析」, 池田謙一(編) 『政治のリアリティと社会心理 平成小泉政治のダイナミックス』, 木鐸社 pp.33-67.

稲増一憲・池田謙一 (2007b). 「マスメディアと小泉の選挙:メディアはコトバを与えたか、関心を高めたか」, 池田謙一(編) 『政治のリアリティと社会心理 平成小泉政治のダイナミックス』, 木鐸社 pp.107-128.

三宅一郎 (1998). 「政党評価と政党リーダ・候補者評価」, 『政党支持の構造』 木鐸社 pp.133-161.

Nisbett, R. E. & Wilson, T.D. (1977). 'Telling more than we can know: Verbal reports on mental processes'. "Psychological Review", Vol.84(3), pp.231-259.

小田博士 (2012). 「本社・FNN合同世論調査 『比例投票先』維新3位に転落」, 産経新聞 2012年10月9日付朝刊2面

Pfungust, O. (1907a). "Der Kluge Hans: Ein Beitrag zur nichtverbalen Kommunikation. 3. Auflage", Frankfurter Fachbuchhandlung Fur Psychologie, Frankfurt am Main (プフングスト,O. 秦 和子(訳) (2007). 『ウマはなぜ「計算」できたのか 「りこうなハンス効果」の発見』 現代人文社)

Pfungust, O. (1907b).「訳者あとがき」, "Der Kluge Hans: Ein Beitrag zur nichtverbalen Kommunikation. 3. Auflage", Frankfurter Fachbuchhandlung Fur Psychologie, Frankfurt am Main (プフングスト,O. 秦 和子(訳) (2007). 『ウマはなぜ「計算」できたのか 「りこうなハンス効果」の発見』 現代人文社)

 (敬称略)

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