2大政党

党首の条件

 

〜シリーズ

「小沢民主党」

(2)

 

(May 18, 2006)

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■2大政党党首の条件〜シリーズ「小沢民主党」(2)■

 

世論調査によれば、民主党の支持者は大臣経験のない者を民主党党首(将来の首相)にするつもりはない。大臣経験のない若手、中堅の民主党国会議員は、自分が党首になることよりまず、大臣経験者(小沢一郎代表か菅直人元代表)に政権を取ってもらって、その内閣に入閣することが先決だ。

 

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■2大政党党首の条件〜シリーズ「小沢民主党」(2)■

 

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【前回「韓国1勝、もう確定〜06年W杯サッカー壮行試合の謎」は → こちらをご参照下さい。】

 

小誌06年4月24日「『福田総裁』当確〜小沢民主党の政局化学反応」で、小沢一郎民主党代表が仕掛ける「福田+民主(+公明)」の変則連立政権(福民公連立政権)の可能性を論じたが、実は、これが実現するか、あるいはほかの方法で小沢現代表が政権を取ったあとでないと、前原誠司、野田佳彦、両衆議院議員ら民主党の若手・中堅世代を民主党代表にするのは本来、同党にとっては危険である。なぜなら、同党代表は野党第一党党首、すなわち次期首相候補であり、他方、01年以降の各種世論調査によれば、国民、とくに民主党支持者は「大臣経験のない者を首相にするつもりがない」ことがはっきりしているからだ。

 

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●元々ありえない「鳩山首相」「岡田首相」●

 

01年2月、自由党(小沢一郎党首)と合併する前の旧民主党の党首(代表)は鳩山由紀夫衆議院議員(96年旧民主党結党時の中心人物で、01年当時当選回数5回目)だった。ところが、当時行われた世論調査では、「総理にふさわしい人」としての由紀夫の支持率は2.1%だったのに、党首でない菅直人(01年当時民主党幹事長、当時当選7回、元厚生大臣)の支持率はそれよりはるかに高く、5.6%もあった(産経新聞01年2月27日付朝刊3面「本社・FNN世論調査」)。

 

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さらにあきれたことに、当時、旧民主党よりはるかに議席数の少ない小政党、自由党の党首だった小沢(元自治大臣、元官房副長官、元自民党幹事長、当時当選11回)の支持率も3.4%で、由紀夫のそれより高かった。産経新聞は「これでは、たとえ(旧)民主党が(自由党などと連携して)政権を取っても、だれを首相にすればいいかわからない」と言わんばかりに皮肉った(産経前掲記事)。

 

05年4月、読売新聞も「首相にふさわしい政治家」の世論調査を行い:

 

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石原慎太郎

(当時東京都知事、元運輸大臣)

30.8%

 

安倍 晋三

(当時自民党幹事長代理、元自民党幹事長)

28.9%

 

小泉純一郎

(当時首相)

15.6%

 

田中真紀子

(元外相)

8.4%

 

小沢 一郎

(当時民主党代表)

7.7%

 

菅  直人

6.0%

 

岡田 克也

(当時民主党代表)

5.1%

 

神崎 武法

(当時公明党代表)

1.4%

 

…………

 

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という結果を得ているが(読売新聞05年4月24日付朝刊13面「全国世論調査」)、このときも、当時民主党代表だった岡田克也(当時当選5回)の支持率(5.1%)は、代表でなかった小沢(7.7%、当時当選12回)、菅(6.0%、当時当選8回)より低い。なぜだろうか。

 

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菅と小沢には、ともに大臣(政権与党幹部)として「組織」を動かした経験がある。菅は「薬害エイズ事件」のときの厚生大臣であり、小沢は80〜90年代にかけて、自民党政権および非自民連立政権を取り仕切る重鎮であった。

 

ところが、由紀夫は当選回数や年齢のわりには、大臣経験がなく、岡田もその点は同様だ。

(旧)民主党は結党以来5人の党首を奉戴したが、大臣経験のある菅と小沢の首相候補としての支持率を、大臣経験のない党首が上回ったことはない。由紀夫も岡田も、ついに菅、小沢の両巨頭を追い抜くことはできなかった。

 

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【前原誠司前代表の場合は、毎日新聞が05年10月〜06年1月に行った三度の世論調査でそれぞれ3%、4%、2%の支持を得て、菅(3%、4%、6%)と同率になることはあったが、小沢(5%、6%、6%)を抜くことは一度もなく(毎日新聞05年10月10日朝刊2面、05年11月2日付朝刊2面、06年1月23日付朝刊2面)、そのまま06年4月に代表を辞任した。】

 

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結論ははっきりしている。

民主党の外に目を転じても、国民世論が大臣(または最大与党幹事長)経験者(石原慎太郎、安倍晋三、小泉純一郎、田中真紀子ら)を有力な首相候補と考え、そうでない者を首相候補としては「格下」に位置付けていることは明らかだ。

 

もちろん(03年10月の、旧民主党と自由党の合併以降)世論調査で「首相にふさわしい人」と問われて、菅や小沢の名前を挙げる者は間違いなく民主党支持者だ。その民主党支持者が「大臣経験のない由紀夫や岡田は、菅や小沢を押しのけて首相(候補)になるべきでない」と判断しているのだ。

 

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当選回数などどうでもいい。国民は、大臣をやったことのない者に首相をやらせるつもりはなく、したがって、小選挙区(2大政党)制のもとでは次期首相候補である野党第一党党首を、やらせるつもりもないはずだ。

 

由紀夫や岡田や、あるいは若手の野田などが、何回当選回数を重ねようと、民主党が野党である限り、「大臣経験回数ゼロ」であることには変わりがなく、したがって民主党支持者が、彼らを党首(首相候補)として強く支持することもない。

 

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【野党の国会議員は基本的に自分の秘書を動かすだけで「組織」を動かすわけではない。

政党は組織の一種かもしれないが、党所属議員は国民に選ばれたのであって、党に雇われたのではない。それは「偽メール」問題で国会を混乱させた永田寿康衆議院議員を民主党が議員辞職させるのに1か月以上も苦労したのを見れば明らかだ(産経新聞Web版06年3月25日「メール問題 民主がけっ縁 永田氏、人ごと」、産経新聞Web版06年3月26日「永田議員の辞職促す 民主・鳩山幹事長」、民主党Web 06年3月31日「常任幹事会で前原代表、辞意を表明 検証チーム報告書を提出」)。

つまり、野党の幹部は大勢の部下(国会議員)を率いて大組織を動かしているわけではないのだ。したがって、野党議員が「当選回数5回」で「党幹部経験あり」などと訴えても、国民がそれらを評価して「次期首相候補」とみなすことはない。】

 

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このことを民主党の国会議員たちはほとんどわかっていない(だから、大臣経験のない者が何人も代表選に出ようとするのだ)。ところが、自民党は、当の民主党の議員たちよりはるかに深くこのことを理解している。

 

03年11月の衆議院総選挙では、自由党を吸収合併した直後の民主党は大臣経験者の菅直人を党首に立てて戦い、議席数を大幅に増やした(選挙前137議席→選挙後177議席)(産経新聞Web版「総選挙2003」)。この選挙は小選挙区制のもとで、しかも野党勢力が「拡大民主党」にほぼ一本化されて初めて行われた選挙であり、全国300選挙区の小選挙区選挙は、まさに「総選挙後の国会の首班指名選挙で小泉純一郎(自民党総裁)に投票する人か、菅直人(民主党代表)に投票する人か」どちらかを選ぶ、本邦初の「首相選挙人選挙」だった。

 

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この選挙で民主党は大躍進し、さらに翌04年7月の参院選でも、民主党は、岡田克也代表のもと議席を増やしたので(改選議席では38→50議席、非改選を含めると70→82議席)(日経新聞Web版「2004参議院選挙特集」)、自民党は民主党の勢いに脅威を感じた。

 

ところが、05年4月に行われた、衆議院宮城2区補欠選挙では、自民党は候補者調整に失敗し、自民党系の地方議員が党公認を受けずに立候補する「保守分裂選挙」であったにもかかわらず、また、民主党が強いとされていた大都市圏(仙台)の選挙であったにもかかわらず、自民党公認候補は民主党の(単独の)公認候補に勝ち、岡田民主党の意外な弱さが露呈した。

 

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そこで、自民党執行部(小泉純一郎総裁兼首相と武部勤幹事長)は全国規模で党独自の世論調査を行った。これはマスコミが選挙直前に行う世論調査よりもはるかに高い費用をかけ、はるかに多くのサンプルをとって行うため、きわめて正確で、たとえ投票日の数か月前であっても、また、投票日まで投票先を決めない無党派層が大勢いても(データマイニングという統計学の手法で推定して)すべての議席をほぼ完璧に予測することができる(小誌05年9月19日「データベース選挙」)。

 

その結果、自民党執行部は05年5〜6月の時点で「岡田民主党の、小選挙区選挙における意外な弱さ」を見破り、「いま解散すれば、たとえ(郵政民営化反対派の自民党議員が造反して)保守分裂選挙になっても民主党に圧勝できる」と確信した。自民党執行部は、この、党独自の世論調査結果を、執行部(小泉と武部)しか知らない極秘事項にしたうえで、与野党双方の国会議員をだまして、郵政民営化法案を利用して政局を混乱させ、衆議院の解散・総選挙に持ち込んで予測どおり民主党に圧勝した(小誌05年9月8日「計画的解散」)。

 

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「大臣経験のない岡田を、民主党支持者が首相にしたがるはずはないから、(参院選ではともかく)首相選挙人選挙(衆院選)なら、簡単に勝てる」……こう確信していたからこそ、小泉は(郵政民営化反対派を挑発する言動を繰り返して)自身の悲願である郵政民営化法案を敢えていったん否決の危険にさらしてでも、解散・総選挙に持ち込みたかったのだ。

 

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●「小沢内閣」の大臣をめざせ●

 

もし民主党が政権を取りたいのなら、やるべきことははっきりしている。

民主党の党内事情や、代表選における「民主的手続き」など、どうでもいい。民主党支持者が大臣経験のない者を党首にすることをいやがっている以上、「密室の談合」でも「派閥力学による候補者の一本化」でもなんでもいいから、小沢か菅を党首にする以外に道はないのだ。

 

幸いに、06年4月の臨時代表選挙では、大臣経験者の小沢が選ばれたからいいようなものの、選挙前、まったく大臣経験のない河村たかし衆議院議員が「総理をねらう男」と称して立候補に動いたのには、あきれるほかない。

 

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河村は当時、「小泉首相が自民党総裁に初当選した(01年自民党総裁選の)ときのような(いかにも党首になれそうもない者が当選したときのような)感じで、一つよろしく」と同僚議員相手に選挙運動をし、それはTVで広く報じられていた。が、総裁当選前の小泉は曲がりなりにも、厚生大臣と郵政大臣をすでに経験していたのだ。だからこそ、自民党員も国民世論も彼を首相候補と認め、強く支持した。一度も大臣を経験していない河村(06年現在当選回数5回)は「もし総理をねらう」のなら、小沢(か菅)に政権を取ってもらって、その政権に大臣として参加し、その大臣経験を踏まえて国民に「次は総理に」と訴える以外に道はない。

 

たとえ万が一、何かの理由で、小沢が政権を取る前に代表を辞任するような事態になったとしても、民主党はけっして菅以外の者を代表に選んではならない。もし大臣経験者を代表にすれば、自民党執行部は05年の「郵政解散」のときと同じように(あらかじめ党独自の世論調査とデータマイニングで秘密裏に確認したうえで)「待ってました」とばかりに解散・総選挙を仕掛けて来る。そうなれば、こんどこそ民主党は壊滅してしまう。

 

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たとえば「ポスト小沢」の代表選で、党内民主主義の原理原則にこだわるあまり大臣経験者が当選してしまう、というような事態は絶対に避けなければならない。それは自殺行為だ。

 

民主党の若手・中堅議員はもう少し、大臣経験のあるベテランをだいじにしたほうがいい。もし小沢や菅が政権を取らないうちに「隠居」してしまうと、民主党は永遠に政権を取れないことになるからだ。

 

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●最後の手段●

あまりすすめられないが、もし民主党が「小沢代表」「菅代表」のもとでの政権奪取に失敗した場合は、外部から大臣経験者を連れて来て党首にするしかない。

 

たとえば、06年5月現在無所属議員である、野田聖子元郵政大臣(最悪の場合は、田中真紀子元外務大臣!?)を招聘する、というテも、ないわけではない(が、両元大臣とも夫が自民党員なので……単に選挙の顔として利用するだけの場合でも……たぶん無理であろう)。

 

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いよいよ追い詰められたときには、知事や市長など自治体の首長を連れて来る、ということになるかもしれない。

大臣経験がなくて首相になったにもかかわらず国民の高い支持を得た例としては細川護煕元首相がいるが、彼の場合は、熊本県知事として県庁という組織を動かした実績があった(逆に、知事も大臣も経験せずに首相になった、村山富市元社会党党首は、阪神大震災への対応で大失態を演じ、国民世論から厳しく批判された)。

 

この先例に倣うなら、元民主党衆議院議員の松沢成文神奈川県知事や上田清司埼玉県知事、元新進党衆議院議員の中田宏横浜市長、あるいは「小沢一郎を尊敬する」と公言する、新党日本代表の田中康夫長野県知事などを……たとえ現職の民主党国会議員たちがどんなに不本意であろうと……外から引っ張って来て党首の座に据えるべきだ。それ以外の方法では、国民世論、とくに民主党支持者の納得は得られまい。。

 

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「党内に人材がいないから外から連れて来る」というのは、野党第一党としては、いかにもなさけないが、大臣も首長も経験したことのない者の首相就任に国民が不満(というより不安)を感じている以上、どうしようもない。

 

それがいやなら、小沢現代表のもとで手段を選ばず政権を取り、党内に「大臣経験者」を増やしておくほかない。

 

【筆者はべつに河村たかし議員を、とくに、あの愛嬌のある名古屋弁を、嫌いなわけではない。】

 

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次回以降は当分の間、06年ワールドカップ(W杯)サッカー本大会の予測に専念する予定。】

 

 (敬称略)

 

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