寡占性メディア

Last Update: June 27, 1997
Originally Written: June 27, 1997

「寡占性メディア」:筆者の造語。
筆者の7年におよぶ出版業界での経験から見ると、書籍出版、新聞、放送などのマスメディアは個人の言論の自由とはまったく関係がなく、意識的に世論を寡占化(画一化)することを目的に活動すると考えられることから、「寡占性メディア」ないし「反自由メディア」と呼ぶことにした。

なんとなれば、マスメディアの開業には巨額な設備投資が必要なため、それを使って「言論」を行いうるのは、ごく少数の巨大な会社や組織に限られるからである。したがって、作家、記者、編集者が「個人」として言論の自由を行使することは困難で、言論の自由は事実上、基本的権ではなく、基本的権である。

これに対して、インターネットのホームページは開設するのにほとんどコストがかからず、個人でも容易に情報発信ができるので、「非寡占性メディア」ないし「完全自由メディア」と呼ぶことができる。

たとえば、英BBC、米ABCなどの「ユダヤ系のメディア」(アラブ諸国がそのように言っている)が、「表現の自由」の美名のもとに「アラブ・イスラム諸国など第三世界については、テロ、クーデター、災害などの否定的なニュースしか伝えない」といった方針を採っていることなど、「寡占性メディア」の本性をよく表している例と言えよう。

 

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